上品・高級なバッグ素材といえば「ワニ革」。
「ワニ革」と言えば「クロコダイル」のイメージが強いですが、大きく3種類に分けられることをご存知でしょうか?
「アリゲーター」・「カイマン」を「クロコダイル」と称して販売しているお店もありますが、正しくは別物です。
それぞれ特徴が異なり、質感や価格も変わってきます。
ただ、「アリゲーター」・「カイマン」・「クロコダイル」のどれが優れているというわけではありません。
ワニ革の知識を得た上で自分の好みに合わせて製品を選びましょう。
人気No.1!「クロコダイル」
「ワニ革」の中で最も人気が高いのが「クロコダイル」でしょう。
ウロコ模様は、正方形に近い「竹腑(たけふ)」、丸みを帯びた「丸腑(まるふ)」が整っているのが美しいと言われます。
「竹腑」は硬派なイメージ・ファッションに、「丸腑」は財布・ベルトなどの小物によく使われます。
ウロコをよく見ると、呼吸をするための「穿孔(せんこう)」と呼ばれる小さな点がついています。
(※ツヤ加工や重ね塗りをしている場合は確認できないケースがあります。)
優雅な印象を与えるため、ファッションのワンポイントとして上流階級の人々から好まれています。
「クロコダイル」はクロコダイル科という種類で、アフリカ大陸・ユーラシア大陸南部・オーストラリア大陸北部など温暖な地域に生息しています。
また、「クロコダイル」の中にも細かく4種類に分類されます。
- スモールクロコダイル:ウロコの横列が31~35列。もっとも高い評価を受けている。
- ナイルクロコダイル:特にヨーロッパ圏で高い需要がある。
- ラージクロコダイル:ウロコの横列が24~32列。「ニューギニアワニ」とも呼ぶ。
- シャムクロコダイル:タイで養殖されるワニ。日本への輸入量が多い。
もしワニ革製品が本物かどうか調べたい時は、店員に種類を聞いてみるとよいでしょう。
「クロコダイル」は「ラグジュアリー(エレガント)な印象を与えたい」・「ワニらしさを求めている」方にぴったりです。
大人の風格!「アリゲーター」
「アリゲーター」は「クロコダイル」よりもウロコ模様が長めの長方形ですが、見た目や手触りはそこまで違いはありません。
見分け方としては、呼吸をするための「穿孔(せんこう)」はついていない、斑紋と斑紋の間にシワが少ないといった点です。
製品になってしまうと専門家でも見分けるのは至難の業ですが、生き物としては違うものです。
「アリゲーター」はアリゲーター科アリゲーター亜科、中南米を含む南北アメリカ大陸・中国長江流域などの地域で生息しています。
天然ものを捕獲することで革製品に仕上げるのですが、現在は数が減りすぎないように制限がかかっています。
しかし養殖が難しいため希少価値が上がり、その分価格も上昇傾向にあります。
万が一、「アリゲーター」としてワニ革製品が安く売られていた場合、それは「型押し」かもしれません。
「型押し」とは革を加工し凸凹の模様をつけたものです。
非常に細かな凸凹まで再現されていて、染色の風合いも良いケースも見かけますが、「アリゲーター」でもましてや「クロコダイル」でもありません。
ステータスや大切なプレゼントとして気分を高揚させるアイテムとして選ぶなら、本物のワニ革を使いましょう。
高級品ですので、買った後に後悔しないために最低限の知識を覚えておくといいですね。
「アリゲーター」は「クロコダイル」に並ぶ上質な素材です。
ごつごつ感がクール!「カイマン」
「カイマン」は別名「石ワニ」「バビラス」とも呼ばれ、ごつごつとしたさわり心地が特徴的です。
「カイマン」はアリゲーター科カイマン亜科で、中南米に生息しています。
「アリゲーター」・「クロコダイル」は基本的にお腹部分である「肚(はら)」や関節部の革を使います。
一方、「カイマン」はほどんどの部分が固く、顎から脇腹部分など一部を使います。
近年は最新技術により固い部分も仕上げられるようになっており、「カイマン」の凹凸を活かしたファッション小物が人気を博しています。
例えば、アメリカやメキシコではカウボーイブーツ、日本では時計バンド(ベルト)としても利用されています。
ワイルドな見た目なので、女性よりも男性から選ばれているようです。
「カイマン」は「アリゲーター」・「クロコダイル」よりも低価格で入手できるため、ワニ革初心者に向いているとも言えるでしょう。
まとめ
ワニ革のバッグ・財布やベルトがあれば、いつものお洋服でも引き締まった印象になります。
さらにワニ革の3種類を知った上で使い分けると、ファッション上級者になれるはずです。
- 人気No.1!「クロコダイル」
- 大人の風格!「アリゲーター」
- ごつごつ感がクール!「カイマン」
ワニ革をランク付けする場合は「クロコダイル」>「アリゲーター」>「カイマン」の順で高級とされています。
しかし、それぞれ特徴が異なり、どれが良いという決まりはありません。
ワニ革の見た目・さわり心地などを比べて、ご自身にあった製品を見つけましょう。